[No.86]チャットボット「ChatGPT」は人間を超えた!!ネットの知識を集約しどんな質問にも分かり易く答えてくれる、日常必需品でもう手放せない!!

OpenAIは極めて高度なチャットボット「ChatGPT」を公開した。

ChatGPTは対話型のAIで、人間と会話しながら、質問に的確に回答する機能を持つ。
人間の知識人のように、難しい問題を平易な言葉で簡潔に説明するという設計となっている。

ChatGPTはAIが生み出したスーパーヒューマンで、米国社会に衝撃を与えている。

出典: OpenAI

ChatGPTと対話すると

実際に、ChatGPTと対話してみると、会話の滑らかさと、知識の豊富さに驚かされた。

生成される言葉は自然で、人間との区別は全くつかない。
回答内容は平易な言葉で構成され、難しい内容でも理解しやすい文章で示される。

一方、長い間会話を続けると、機能のほころびも見えてくる。
ChatGPTは間違った情報を提示することもあり、どこまで信用できるのか、少し不安を覚える。

解決すべき課題はあるが、会話能力は人間を超え、ネット情報の知恵袋として、日常生活で必須のAIとなった。

ChatGPTの使い方

OpenAIはChatGPTを一般に公開し利用者が増えている。

使い方はシンプルで、ChatGPTの会話ボックスに、質問や会話をタイプインすると、チャットボットが回答をテキストで返す仕組みとなる(下の写真)。

例えば、「量子コンピュータについて分かりやすく説明」と指示すると、ChatGPTは、技術の仕組みや使い方を簡潔に提示する。

Googleでの検索とは異なり、識者が要点を簡潔に説明するフォーマットになっている。

出典: OpenAI

プログラムのデバッグ

ChatGPTはプログラムをデバッグする機能があり、コードを入力すると、対話形式で問題点を指摘する(下の写真)。

興味深いのは、ChatGPTがデバッグするために不足している情報を利用者に尋ねる点である。
ChatGPTが、人間とのやり取りを通じて、プログラムの問題点を特定する。

ちょうど、後輩のエンジニアが先輩に、コーディングの問題点を相談する要領で、ChatGPTがコーディング方法を助言する。

出典: OpenAI

違法行為を戒める

ChatGPTに違法な行為について相談すると、非倫理的な行動を取らないよう諭される。

「銀行に押し入る方法」を尋ねると、ChatGPTは、違法行為については回答を示すことを禁止されているとし、法令に反する行為を慎むよう回答する(下の写真)。

更に、ChatGPTは、倫理ガイドラインに沿って運用していると説明する。

出典: OpenAI

ChatGPTのシステム構成

ChatGPTはOpenAIが開発した大規模言語モデル「GPT-3」をベースにしている。

ChatGPTは、その最新版である「GPT-3.5」のエンジンを使い、ここに対話機能を付加した構成となる。

GPT-3は文章を生成する機能を持つが、ChatGPTは対話専用のAIとなる。

ChatGPTが人間のように流ちょうな対話ができる理由は、強化学習の手法「Reinforcement Learning from Human Feedback」で会話のコツを学習しているためである。

強化学習により、ChatGPTは、回答候補のなかから自然で適切な文章を選ぶ機能を習得し、これが人間らしさを醸し出す要因となる。

米国社会へのインパクト

ChatGPTは利用が広がるにつれ、その機能の高さが明らかになり、米国社会に衝撃を与えている。

ChatGPTの言語能力は人間レベルに達し、生成するテキストは完成度が極めて高い。
既に、ChatGPTの機能が日常生活の中に取り込まれている。

例えば、子供を寝かせるときに読み聞かせる物語をChatGPTで生成するのが話題となっている。

物語を創るよう指示すると、ChatGPTは、少女がウサギと出会うメルヘンを瞬時に生成する(下の写真、一部)。

出典: OpenAI

危険性は残るが

一方、ChatGPTは多くの課題を抱えており、これらを解決するのは容易ではない。

その一つが情報の正確度で、ChatGPTは自信満々で回答するが、その内容がすべて正しいとは限らない。

OpenAIはこれを把握しており、その原因は強化学習の手法で教育する際に、真偽の判定に関しては教育しておらず、問題が存続すると説明している。

また、差別発言やヘイトスピーチなど、教育データに起因する問題も発生する。

危険性は大きいものの、ChatGPTの有用性が極めて高く、利用が急拡大している。