[No.187]Alibabaは生成AI推論モデル「QwQ」をオープンソースとして公開、ベンチマークでOpenAIを上回る、AI開発で米中間のギャップが縮まる
Alibabaは推論モデル「QwQ」をリリースしこれをオープンソースとして公開した。推論モデルはと論理的な思考ができるAIで、指示されたタスクを分類整理して筋道を立てて結論を導く。インファレンスのプロセスでは複数の考え方を実行し、その中から最も確からしい結果を回答として出力する。
[No.186]OpenAIは推論モデル「o1」をリリース、GPTシリーズとは異なる製品ラインを形成、論理的な思考ができるモデルで知能が大きく向上
OpenAIは推論モデル「o1」をリリースし新たな市場を切り開いている。推論モデルとは人間のように論理的な思考ができるAIで、与えられたテーマを分類整理して、筋道を立てて結論を導く機能を持つ。科学や数学やコーディングで高度な機能を発揮するが、政治や経済など社会生活に関連する分野でも論理的な議論を展開する。
[No.185]大規模言語モデルの開発ペースが大幅にスローダウン!!OpenAIの次期モデルの性能が上がらない、開発戦略の見直しを迫られる
OpenAIは次期フラッグシップモデルを開発しているが、性能が上がらないという問題に直面した。次期モデルのコードネームは「Orion」といわれ、GPT-4の後継機種となる。当初は今年末までにリリースされるといわれてきたが、これが来年にスリップした。Orionは巨大なモデルであるが、規模を拡大してもそれに応じて性能が伸びない。
[No.184]トランプ氏圧勝・アメリカは変わった!!第二次政権でハイテク政策はどうなる、規制緩和でイノベーションが加速か、日本経済への影響は
アメリカ大統領選挙は大接戦と言われてきたがトランプ氏が圧勝した。国民の過半数が米国第一主義を支持し、この四年間で国民の総意が大きくシフトした。もはや今までの常識は通用せず、新しいパラダイムの元で事業を展開する必要がある。ハイテクに関しては、アメリカ国内で政策が大きく見直され規制緩和に向かう。日本や欧州へのインパクトも大きく、構築された関係が見直され、今後の協調のありかたを模索することになる。
[No.183]オープンソースAIの定義が決まる、ソースコードの他にデータを開示する義務を規定、Meta Llamaをオープンソースと呼べない!!
オープンソース管理団体「Open Source Initiative (OSI)」は、10月28日、AIに関するオープンソースの定義を公開した。Linuxに代表されるように、ソフトウェアに関するオープンソースの定義は確定し、共通の理解が形成されている。しかし、生成AIを中心とするAIはソフトウェアとは構造が大きく異なり、オープンソースについての議論が続いていた。
[No.182]現行の生成AIモデルは欧州の規制法「AI Act」に準拠できない!!コンプライアンス・チェッカー「COMPL-AI」の評価結果
EUはAIを安全に運用するための法令「AI Act」の運用を開始し、域内で事業を展開する企業はこの規定に従うことが義務付けられた。AI Actは複雑な法体系で、これを読み下し、AIシステムを評価するには、多大なコストと時間を要す。欧州の研究団体はモデルがAI Actに準拠しているかを審査するツール「コンプライアンス・チェッカー」を開発した。
[No.181]ヒントン教授はAI基礎技術「ボルツマンマシン」の開発でノーベル物理学賞を受賞、人工ニューラルネットワークがデータに内在する特性を把握、モデルが学習する機能を実現しAIブームに繋がる
今年のノーベル物理学賞はAIの基礎技術「人工ニューラルネットワーク」の開発に関わった、ジョン・ホップフィールド教授とジェフリー・ヒントン教授に授与された。ホップフィールド教授は連想記憶技術を開発し、ヒントン教授はこれを基盤とし、モデルが学習するメカニズムを考案した。その後、ヒントン教授はイメージを識別するモデルを開発し、これが今のAIブームの起点となった。
[No.180]国際連合はAIガバナンスに関する報告書を公開、OECD(AI基本指針)やG7(広島AIプロセス)など多国間協定を統括する役割を担う、地球温暖化とAIを最重要テーマと位置付ける
国際連合(United Nations)は先月、AIに関する包括的な報告書「Governing AI for Humanity」を公開した。これはAIガバナンスをグローバルに展開するための意見書で、AIのリスクを認識し、世界の人々が利益を享受できるフレームワークを提言している。報告書は地球温暖化対策をモデルに、AIのリスクを査定するためのパネルの設置を推奨する。
[No.179]カリフォルニア州のフロンティアモデル規制法は不成立となる、その一方で州知事は18の規制法に署名しAI規制が本格的に始まる
カリフォルニア州議会は大規模AI「フロンティアモデル」を規制する法案を可決したが、州知事のGavin Newsomは署名を拒否し、この法案は成立しなかった。この法案は企業にフロンティアモデルを出荷する前に安全試験を義務付けるもので、連邦政府に先駆けて規制法を制定できるか注目されていた。
[No.178]Metaは小型モデル「Llama 3.2」を公開、ARグラスなどエッジデバイスのAIエンジンとなる、パソコンで稼働し開発コミュニティで人気急騰
Metaは開発者会議「Connect 2024」を開催し、生成AI最新モデル「Llama 3.2」を公開した。Llama 3.2は小型モデル「Small Model」とマルチモダル「Multimodal」の二つのシステムから構成される(下の写真)。前者はエッジデバイスで稼働するスリムなモデルで、スマートグラスやパソコンで使われる。