[No.68]メタバースでデートする、仮想空間で恋人を探し現実社会で交際を始める
メタバースでデートして交際相手を探すライフスタイルが始まろうとしている。
メタバースはネット上に構築された3D仮想空間で、次世代のインターネットとして開発が進んでいる。
メタバースで様々なモデルが試されているが、仮想空間でデートするプラットフォームとして注目されている。アバターを介してデートして(下の写真)、お互いに気に入れば、現実社会で交際を始める。
メタバースが、男女間や同性間の仲立ちになるのか、トライアルが始まった。
Flirtualという企業
この技術を開発しているのはカナダ・トロント郊外に拠点を置くFlirtualという新興企業で、メタバースでデートするアプリを提供している。
Flirtualはメタバース向けの“デートアプリ”で、相性の良い相手を探し、その人とVR空間でデートする場を提供する。VRヘッドセットを着装し、3D仮想空間で自分のアバターを介し、相手のアバターと交流する。
アプリの機能
まず、アプリにアバターとプロフィールを登録し、自分と相性の良い相手を検索する。
アバターはアニメのキャラクターから選び、プロフィールには、名前や年齢や性別を登録し、自己紹介などを書き込む。
また、趣味やパーソナリティを記入し、これらがマッチングする相手を探すキーワードとなる。相手が見つかると、その人とテキストメッセージで会話して、デートする場所や時間などを決める。(下の写真、Flirtualのインターフェイス)
VR仮想空間でのデート
デートはVR仮想空間で行われ、VRヘッドセットを着装し、相手のアバターと会話しながら交流を進める。デートする場所が用意されており、シチュエーションに合わせて最適な場所を選ぶ。
安心してデートできるよう、公園や水族館やカフェなどを選択できる。また二人で楽しめるように、ビリヤードやミニゴルフなどでプレーできる。また、二人で仮想の草に触ることもできる(下の写真)。
アバター
二人はアバターを介してデートするため、相手の容姿を見ることができない。
デジタルツイン同士で交流することになり、自分の素顔を見られず、安心してデートできる(下の写真)。交際が進むと、相手にタッチすることもできる。
これは「Phantom Touch」と呼ばれ、相手のアバターにタッチすることで、触覚のフィードバックは無いが、親愛の情を表現できる。
VR空間で気が合えば、お互いの素性を明らかにし、現実社会での交際に進むことになる。
VR空間での交流アプリ
VR空間における人の交流はメタバースの中心機能で、多くのアプリが開発されている。
ビジネス向けにはMicrosoftが3Dアバターによるビデオ会議「Mesh」を運用している。また、Metaはメタバース会議環境「Horizon Workrooms」を開発している。
プライベートな交流では「VRChat」が事実上の標準ツールとなっている。
VRChatはサンフランシスコに拠点を置く新興企業で、VR空間で交流するための環境を提供している。
ここでイベントなどが開催され、アバターを介して多くの知人と交流する(下の写真)。
新しいライフスタイル
これらVR交流アプリに対し、Flirtualはデート専用のプラットフォームで、交際するための機能が充実している。
ポストコロナのワークスタイルが遠隔勤務に向かっているように、人の交流もオンラインになり、VR空間で交際するライフスタイルが広がろうとしている。
メタバースの技術開発が進むにつれ、デートアプリの重要性に注目が集まり、多くの企業が製品開発を進めている。