[No.268]OpenAIはビジネス・エージェント「ChatGPT Work」を投入、AIがビッグデータを解析しその結果をスライドやウェブサイトとして出力
OpenAIは7月9日、AIエージェントのビジネス版である「ChatGPT Work」をリリースした。
ChatGPTは対話ベースのAIモデルであるのに対し、ChatGPT Workはビジネス・エージェントとして与えられたオフィス業務を実行する。ChatGPT Workはビジネス関連の情報を解析し、その結果をパワーポイントのスライドに纏める。
また、ウェブサイトを生成し、そこに解析結果を表示することもできる。
実際に使ってみると、ChatGPT Workはビジネス専用のAIエージェントとして大きなポテンシャルを秘めていると感じた。

ChatGPT Workの概要
ChatGPT WorkはGPT-5.6の基盤の上に構築されたモデルで、ビジネス向けのAIエージェントとしてポジショニングされる。
ChatGPT Workは日々のビジネス業務を実行するためのエージェントで、膨大なデータを解析し、その結果をドキュメントに纏め、また、ウェブサイトを構築し、解析結果を表示する。
ChatGPT Workのリリースで、OpenAIの製品体系は、「Chat」、「Work」、「Codex」(コーディング・エージェント、出荷済み)の三系統となった(下のイメージ)。

Teslaの決算報告書を分析
ChatGPT WorkはOpenAIのフラッグシップモデル「GPT-5.6 Sol」に構築されたAIエージェントで極めて複雑なタスクを実行する。
ChatGPTとは使い方が根本的に異なる。ChatGPTは対話形式で、例えば、「Teslaの決算報告書を説明」と指示すると、その結果をテキストで出力する。
これに対し、ChatGPT Workに「財務分析プロとして、Teslaの決算報告書を解析し、その結果をPPTのプレゼンテーションに纏めよ」と指示することができる(下のイメージ)。

プレゼンテーションを生成
実際の実行では、Teslaの決算報告書「Form 10-K」をSECからダウンロードして、Google Driveに格納した。
ChatGPT WorkにGoogle Driveへのアクセスを許諾し(Pluginという機能)、決算報告書を読み込んで解析し、その結果をパワーポイントのスライドに纏めるよう指示した。
ChatGPT Workは6ページのプレゼン資料を製作した(下のイメージ)。
テキストとテーブルとグラフを使い、解析結果を分かりやすくフォーマットして出力した。

ウェブサイトに解析結果を出力
ChatGPT Workは解析結果をウェブサイトに表示する機能がある。
これは「Sites」といく機能で、オンデマンドで専用のウェブサイトを構築し、ここに指示されたタスクの実行結果を表示する。
社内のプロジェクトチームがこのサイトにアクセスしてChatGPT Workの出力結果を閲覧できる。実際に、ChatGPT WorkにTeslaの決算報告書の解析結果をウェブサイトに出力するよう指示した。
「Sites」の機能で専用のウェブサイトを立ち上げ、ここに解析結果を出力した(下のイメージ)。
デザインは洗練されており、複雑な決算報告書を分かりやすく整理し、業務で必須のツールとなる。
因みに、サイトのURLは:https://tesla-10k-intelligence.nad00251.chatgpt.site/#overview でIDとパスワードでアクセスする仕組みとなる。

ブラウザーで利用する
ChatGPT Workはブラウザーから利用することができる。
今までは、ChatGPTだけであったが、ここにChatGPT Workが加わった(下のイメージ)。
最上部の「Chat」と「Work」のボタンをクリックして、ChatGPTとChatGPT Workを選択する。
ChatGPT Workはフロンティアモデル「GPT-5.6 Sol」をエンジンとして使い、そのパワーレベル(推論レベル)を設定して利用する(右下の部分)。

デスクトップ・アプリケーションで利用する
OpenAIはWindowとMacOS向けのデスクトップ・アプリケーション最新版をリリースした。
このアプリケーションは「Work」と「Codex」の両者をカバーしており、ここで「Work」を選択して利用する(下のイメージ)。「Work」がビジネス・エージェントであるのに対し、「Codex」はコーディング・エージェント(既に投入済み)となる。
デスクトップ・アプリではWindowsなど基本ソフトをネイティブに使い、ファイルやブラウザーにアクセスして、コンピュータを操作する。
フォルダーに格納しているファイルを読み込み、これを解析するなど、AIエージェントがコンピュータを操作するスキルを獲得した。
使い方としては、軽量のタスクはブラウザーで実行し、大規模なタスクはデスクトップ・アプリケーションで実行する。

AIエージェントの威力
ChatGPT Workはリリースされたばかりで、まだ十分に使いこなしていないが、AIエージェントとして大きなパワーを秘めていると感じた。
ChatGPTは対話モデルであるが、ChatGPT Workは実際に事務作業を実行するワーカーとなり、ビジネス遂行で強力な武器となる。
実際の泥臭い作業(パワーポイントの作成やウェブサイトの生成など)を得意とし、業務遂行で極めて実用的なツールとなる。

