[No.38] メタバースで不動産ブーム!!仮想社会で土地取引が過熱し価格が高騰

メタバースで不動産投資が過熱している。メタバースとは、インターネットに構築された3D仮想社会で、ここで現実社会のように土地が売買されている。

購買した土地に施設が建設され、街が生まれる。値上がりする前に土地を購入する動きが顕著で、仮想都市で不動産取引がブームとなっている。

​ただし、メタバースでの土地取引は経験したことのないビジネスモデルで、投資には幅広い視点からの判断が必要となる。

出典: Decentraland

メタバースで不動産投資

メタバースとは、インターネットに構築された3D仮想社会で、ここに人々が集い交流する。
この仮想社会で都市開発が始まった。まだ、多くの土地は更地で、ここに商業施設やイベント会場が建設され、街が生まれている。

​いまここに土地を買っておけば、ビルが建設され(上の写真)、企業が入居し、賃貸収入を得ることができる、という目論見がある。また、将来、土地を高値で売ることもできる。このような背景から、メタバースの不動産投資に注目が集まっている。

メタバースの不動産会社

メタバースで土地を購入するには、”不動産会社”を介することになる。
いま、土地ブームで”不動産会社”の数が増えているが、その代表はDecentraland。同社はアルゼンチンの新興企業で、現在は、カナダのToken.comが買収し、傘下で事業を継続している。

​Decentralandは、インターネット上に仮想社会を構築し、ここで不動産を売買するサービスを提供している。また、仮想社会で都市開発を進め、デベロッパーとしての機能も有している。

メタバースを歩いてみると

実際に、開発が始まった街を歩いてみると、殆どが空き地で、その一角に施設が建設され、賑わいを見せている。

Decentralandの仮想都市は3Dゲームを彷彿させるグラフィックスで描写される。
利用者はアバターとなり仮想都市を訪問する。市街地の中心部は「Genesis Plaza」と呼ばれ、ここに商業施設やイベント会場などがある(下の写真)。

​店舗や施設でデジタルグッズを購入することができる。また、他のアバターと会話することもできる。

出典: Decentraland

サザビーズが店舗を構える

Decentralandの仮想都市に大手企業が進出を始めた。
イギリスのオークションハウス「サザビーズ(Sotheby’s)」はDecentralandに仮想店舗を設け事業を開始した(下の写真)。

これはロンドンの店舗のデジタルツインで、外観だけでなく内部構造もリアル店舗の複製になっている。仮想店舗はデジタルアートを中心に作品を販売している。
​実際に、サザビーズ店舗で開催されたイベント「Natively Digital」が仮想店舗にライブで配信された。

出典: Decentraland

土地の購入

メタバースで土地を購入するには、”不動産会社”であるDecentralandを介すことになる。

土地の基本ユニットはパーセル「Parcel」で、これが購買単位となる(下の写真、最小のマス目)。
購入済みの土地は水色で示され、灰色の部分が購入可能な物件となる。

支払いは暗号通貨「MANA」を使って決済される。また、土地はデジタルグッズであり、その所有権はNon-Fungible Tokens(NFT)で規定される。
現実社会で土地を購入すると、売買契約を結び、不動産の登記をするが、メタバースではこのプロセスがNFTで実行される。

​土地の価格は場所により決まり、下記のParcel(赤色の四角)の購買価格は$10,290ドル(日本円 約110万円)。
​Parcelの大きさは16 x 16 メートルで、1平方メートル当たり$40.20となる。

出典: Decentraland

土地購買の仕組み

Decentralandは土地をブロックチェイン上に構成されるトークンと位置付ける。
企業や消費者は、ここで土地というトークン「LAND」を購入する。

​土地はパーセル「Parcel」という単位で構成され、これが最小区画となる。複数の区画を纏めて購入し、これらをマージして私有地というトークン「Estate」を作ることもできる。

​決済はDecentralandが開発した独自の暗号通貨「MANA」で行われる。

Decentralandのシステム構造

Decentralandはブロックチェイン「Ethereum」で構築された仮想社会で、ここで土地売買や事業活動を行う。

​このプラットフォームで、土地を購入し、建物などを建設する。また、建設した店舗でデジタル商品を販売することもできる(下の写真、スポーツカー販売の事例)。

​更に、独自のアプリケーションを開発し、新しい事業を展開することも可能となる。

出典: Decentraland

トークンの種類

Decentralandは土地取引で三つのトークンを運用する:

  • MANA:Ethereumベースの暗号通貨で土地やグッズの購入で使われる。これは「Sidechain」と呼ばれる種類の暗号通貨で、Ethereumの機能を使ってDecentralandが独自に開発したもの。現在の交換レートは1 MANA = $2.94。
  • LAND:土地を表すトークン。
  • Estate:LANDをマージしたトークン。

トークンの中でLANDとEstateはNon-Fungible Token(NFT)で、これがデジタルアセットを所有している保証書となる。また、MANAはFungible Tokenで、暗号通貨として対等に交換することができる。

スマートコントラクト

土地やグッズの売買は、Ethereumのスマートコントラクト「Smart Contract」で規定される。
これはEthereumのアプリケーションで、取引の手順を規定し、売買契約や所有権を規定する。

更に、プラットフォームは、特定の団体で管理されるのではなく、利用者が共同で管理する仕組みとなる。
​これは「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」と呼ばれ、Decentralandは分散構造の自立型プラットフォームと区分される。

出典: Decentraland

注意事項

Decentralandを訪ねてみると、ここは3D仮想社会で、15年ほど前にブームになった「Second Life」を思い出す。

インターフェイスは似ているが、Decentralandはブロックチェイン基板上のサービスで、システム構造が根本的に異なる。
ここで、NFTなどトークンをベースとする商取引が始まり、新しい市場が生まれると期待されている。

​特に、コロナの感染拡大で在宅勤務が続く中、交流の場としてメタバースが注目されている。(上の写真、今年のニューイヤーのカウントダウンは、Decentralandの仮想タイムズスクエアで開催された。)

​ただし、メタバースでの土地取引は誰もが初めての経験で、実際に購入する際は、先進事例を参考に、ビジネスモデルを理解しながら進める必要がある。