[No.35] 自動運転ロボット「Nuro」がシリコンバレーで営業運転を開始、実際に使ってみたが自動運転車が注文した商品を玄関先まで配送
自動運転ロボット「Nuro」がシリコンバレーで営業運転を開始した。
Nuroはトヨタ・プリウスをベースとした自動運転車で、注文した商品を玄関先まで配送する。今はセーフティドライバーが搭乗しているが、将来は、無人車両が商品を配送する。
コロナの感染拡大で、Eコマースによる宅配事業が急拡大しており、自動運転ロボットへの期待が高まっている。
セブンイレブンと提携
Nuroはコンビニ「セブンイレブン」と提携し、カリフォルニア州マウンテンビュー市で宅配サービスを開始した。
オンラインで購入した商品を、トヨタ・プリウスをベースとした自動運転ロボットが、消費者宅まで配送する(上の写真)。Nuroはドライバーの介在なく自動で走行する。
Nuroは、専用車両「R2」を開発しており(上の写真左端の車両)、次のステップは、ロボットが無人で商品を宅配する。
実際に使ってみると
早速、Nuroによる配送を試してみたが、全てのプロセスがスムーズに動いた。
セブンイレブンで商品を購入するために、専用アプリ「7NOW」を使った(下の写真)。
ショッピング画面(左側)で宅配を選択し、希望する商品を購入した(中央)。
支払い処理が終わると、店舗側で商品をNuroに積み込む作業が始まる。その後、Nuroがセブンイレブンを出発し、目的地に向かった。Nuroの位置はマップに表示され、運行状態を確認できた(右側)。
Nuroが無事に到着
Nuroは、自宅前に停止し(下の写真)、配送スタッフが購入した商品を玄関先まで届けてくれた。
Nuroには、セーフティドライバーが搭乗しており、クルマを安全に運行する。
スタッフに話を聞いてみると、Nuroは殆どの区間を自動で走行するが、時々、セーフティドライバーがステアリングを操作するとのこと。(実際、Nuroは玄関前を通り越し、隣の家で停車したため、セーフティドライバーがマニュアル操作で、Uターンして自宅前にクルマを移動した。)
カリフォルニア州の認可
Nuroは、営業運転を開始するにあたり、カリフォルニア州の陸運局 (Department of Motor Vehicles)から、公道を無人走行するための認可を受けた。
走行できる地域が指定されており、Nuroはサンタクララ群とサンマテオ群で営業運転を展開できる。また、走行できる道路も規定され、定められたルートを安全に走行する。
事実、営業運転は、サンタクララ群のマウンテンビュー市で開始された。(下の写真、試験走行中のNuro)
次のステップ
Nuroは自動運転ロボット「R2」を開発している(下の写真)。
R2はレベル5の自動運転車で、ロボットが無人で、商品を消費者宅に配送する。
消費者は、ウェブサイトで商品を購入すると、R2がこれを配送する。R2は玄関先に停車し、消費者は貨物ベイのハッチを開けて商品を取り出す仕組みとなる。現在は、食料品の配送が中心であるが、将来は、医薬品の配送も計画されている。
ロボット宅配需要が高騰
新型コロナの変異株「Omicron」の感染が広がり、パンデミックの終息が見通せなくなり、宅配サービスの需要が急騰している。
レストランの出前サービスの他に、食料品の配送ビジネスが拡大している。
小売店舗側はNuroと提携し、ロボットによる宅配サービスを進めている。
セブンイレブンの他に、スーパーマーケット「Kroger」やドラッグストア「CVS」がNuroによる宅配サービスを展開している。これらの需要に応えるため、Nuroは技術開発を加速している。