[No.46] Googleは来月からオフィスを再開、社員はリモートワークを終了しハイブリッド勤務となる (続報)
コロナの感染が下火になり、エンデミックに移行する中、シリコンバレーのIT企業はハイブリッド勤務に移行する。
Googleはリモートワークを終え、4月4日からハイブリッド勤務を始める。社員は週三日、オフィスに出勤する勤務形態となる。
Appleも4月11日にオフィスを再開し、5月23日からは、社員は週三日出社のハイブリッド勤務となる。
Googleは社員に対し、4月4日までに在宅勤務を終えてオフィスに戻るよう通達を出し、週三日出社のハイブリッド勤務に移行する。
今月はトライアル期間で、在宅勤務に慣れたワークスタイルをオフィス勤務に戻すためのプログラムが用意されている。
オフィス内では、ワクチン接種を済ませた社員は、マスク着用や定期検査は不要となる。食堂やカフェが再開し、シャトルバスの運行が始まる。
Googleはハイブリッド勤務向けに、オフィスレイアウトを大幅に変更している(上の写真、ハイブリッド勤務向け会議室)。
来月からハイブリッド勤務が始まるが、その効果を検証しながらワークスタイルを調整するとしている。
Apple
Appleも4月11に、リモートワークを終了しハイブリッド勤務に移行する。
移行期間中は週1日から2日のオフィス勤務となるが、5月23日からは週3日の出社となる。
Appleの場合は出社日が決まっていて、月曜、火曜、木曜がコアの出勤日となる。
また、週三日以上勤務することも可能で、社員はライフスタイルに応じて勤務パターンを選択できる。(下の写真、Apple Park)
Twitterは3月15日にオフィスを再開するものの、社員はリモートワークを継続することができる(下の写真、本社ビル)。
CEOのParag Agrawalは、社員は最も生産性が上がるワークスタイルを選択すべきと述べている。
このために、社員は在宅勤務やオフィス勤務やハイブリッド勤務の中から、自分に最適なスタイルを選択する。
同時にAgrawalは、在宅勤務とオフィス勤務が混在することで、仕事の進行が難しくなると予想しており、ハイブリッド勤務を続けながら最適な解を見出すとしている。
Block(旧Square)
モバイルペイメント企業Block(旧Square)は、社員が遠隔勤務を続けることを認めている。
社員は好みの場所からリモートで勤務することができる。既に、社員は各地に移住しており、会社組織は分散型となっている。
管理職は同じ場所の社員だけでなく、遠隔地の社員を管轄することになり、管理職の40%は同じオフィスに部下は誰もいないとしている(下の写真)。管理職はリモートで社員をマネージする技量が必要になる。
Slack
Slackはハイブリッド勤務を導入しており、仕事の進行は「非同期型業務(Asynchronous Work)」を推奨している。
非同期型業務とは、他の社員とリアルタイムでコラボレーションするのではなく、自分のワークスタイルに合わせて非同期で共同作業を進める方式を指す。
社員は仕事に没頭できる時間「コアタイム(Core Time)」を設定し生産性を上げる。コアタイム以外の時間帯に他の社員と共同作業を進める。
Salesforce
Slackの親会社であるSalesforceは、オフィス勤務の意義を問い直している(下の写真左側、本社ビル)。
ハイブリッド勤務になると、オフィスは他の社員とコラボレーションする場所として利用する。
オフィスは個人の仕事場という役割が小さくなる。
Salesforceは社員間の交流を重視しており、社外で交流イベントを開催している。
Salesforceはサンフランシスコ郊外に山荘「Trailblazer Ranch」を開設し、社員教育や社員の交流の場として使ってる(下の写真右側)。
ポストコロナのワークスタイル
シリコンバレーのIT企業はオフィスを再開するが、社員の勤務形態については大きな自由度を持たせている。
社員にオフィス勤務を強いると、生産性が上がらないだけでなく、多くの社員が辞めていくという現実がある。
一方、完全在宅勤務では社員間のコラボレーションや人間関係の構築が難しい。
このため、多くの企業はこれらのバランスを考慮し、ハイブリッド勤務を選択し、ポストコロナのワークスタイルを模索している。